ICT機器について(1)―電子黒板(IWB)

 

学校で使用されるICT機器について。

まず教室で目を引くのが電子黒板(IWB、インタラクティブホワイトボード)。
厳密には電子黒板とIWBは異なるものですが、IWBという用語に拒否反応を示す教員もおり、私は現場では電子黒板という用語を用いるか、「IWB、これは電子黒板のことですが」と言っています。
※参考「ウィキペディア 電子黒板

余談になりますが、学校現場に限らずカタカナ語や横文字に対する嫌悪、もっというと反感というものがどこの世界にもあり、細かいことですが新しいものを導入する場合、このあたりにも留意する必要があります。すなわち、言い換えが効かないテクニカルタームであれば十分に説明した上で使用する。似た用語が日本語にあれば併用し、徐々に慣れてもらいます。

インタラクティブ=双方向という言葉は、IWBに「書いたものをパソコンに入力/パソコンで再生できるものを出力」できるところから来ています。
形態としては大きくディスプレイ型/プロジェクタ型の2種類あり、それぞれ長短があります。
私がよく触れる機種は日立ソリューションズのStarBoard、エプソンのオフィリオです。
ディスプレイ型は表示が明るく、明るい教室でも見やすい半面、ペンや指での操作にやや難があります。また、プロジェクタ型はペンの応答はよいのですが、明るい教室では映像が鮮明に見えません。
それぞれの特徴を簡単に整理します。

ディスプレイ型(StarBoard) プロジェクタ型(オフィリオ)
設置場所 教室の床に設置、比較的場所を取る 天井に設置(単焦点型)邪魔にならない
画面の大きさ 50インチが中心
やや小さい
70インチ~
充分な大きさ
画面の明るさ 明るい
→日中でもよく見える
やや暗い
→カーテンを引く必要がある
ペンの反応 やや癖があり、書きにくい ほぼ意図したとおりに書ける

はじめてIWBを目にした方はその大きさに驚かれますが、先生方の反応はちょっと違っていて「小さいね、教室の後の子は見えるかな?」とすぐ口にされます。さすがプロ!
という訳で「IWBは大きいけど小さい」とよく言われていますよ。

このIWBとデジタル教材を併用することで、教え方に幅が出てきます。が、一足飛びにあれもこれもと欲張らず、双方向ではなく一方向「プロジェクタ的」に活用するところから始めても十分な気はします。

その際のポイントは「拡大してクラスで映像を共有する」

いくつか挙げてみると、

  • 習字の時間に先生の手元を拡大して見せる
  • 裁縫の針の使い方や包丁の使い方を実演して見せる
  •  黒板用ではなく児童が使用しているものと同じコンパス、三角定規を使って見せる
  • 教科書を投影し、児童の目線を上げられる
  • 教科書に付箋を貼ってポイントを隠すことで習得・思考、はがして確認できる
  • 児童生徒がその場でまとめたノートを投影してクラスで共有
  • ・・・

いかがです? 工夫次第でまだまだ使い方は広がりそうですね。

ICT活用授業は1教室に1台のIWB(プロジェクタ)から始まる。それくらいの可能性を秘めています。

※「1教室に1台」というのがポイント。使いたい時に使える環境(特別教室に移動しない/機器を教室に運ばない・セットアップしない、他のクラスと使用時間がかぶらない)にあるということが、とても大切です。