2/10セミナーのトピックス

 2/10に行われたセミナーで個人的に気になったトピックスをピックアップします。

【パネルディスカッションより】
[中川一史先生]
・デジタルコンテンツの活用で、先生方の授業準備(ワークシート)作成の効率化が図られているケースも

→私としてはノーチェックだった分野。過去の塾講師経験から自分の担任の生徒向けに(そのまま)使えるような教材はなかった印象が強い。例えば、バーコードシステムでドリルアップ・ドリルダウンを自動化していたのがウリの某システムも(現在のコンテンツがどう進化しているかは知りませんが)、当時は「使えないシステム」という判断で採用を見送った経緯もあります。
 要は共通テンプレートがあって、標準化されているものはそれなりに評価もされているのでしょうけど、個々の先生の教え方・指導法と会わない部分が必ずあり、そのすり合わせをどうするのか、という問題。
 だからワークシートについても、教科書に付属してくるものを先生方が自分のクラス向けにアレンジするという認識でいたので、上記の中川先生の発言には「へえー」という感じ。ただ、中川先生は既存のデジタルコンテンツを「そのまま使う」とは仰っていない部分がミソで、「作成の効率化」と仰った。
 このあたり、今後意識して取材します。

[石狩市紅南小学校M先生]
・(フューチャースクールのシステムを)2年間使って感じたことは、「無理をしない!」こと。すべてをICTに置き換えるのではなく、一部をICTに置き換える→「便利」「わかりやすい」「効率的」「感動的」

 M先生の授業には何度もおじゃましており、非常にうまくICTを使いこなしておられる印象。発表を聞いていても「わが意を得たり」と再確認することが多かったです。ただ、「感動的」という言葉は新鮮。
 毎回、子どもたちを感動させるような準備は持続不可能だとしても、要所要所で使うことで従来の授業スタイルにはない感動を映像・双方向性・協働学習を通じて行うことは大切だと再認識。
 長く使って慣れてしまうことで、真っ先に失われてしまうものが「感動」だから。
 逆に、ICT利活用の入り口が「感動」であるのは普通で、それだから「感動」によりかかったままの授業設計はよろしくないと思うわけです。

[宮古島市下地中学校M校長]
※この2/1から取り組みを始められたばかりということで、ここに至る背景等を発表されました。
・(これまでの課題として)年度途中の採択で今年度の年間指導計画及び行事計画に変更が多くなっている

 上記のような苦言を呈されていましたが、私もまったく同感です。
 年度が変わってからの採択、予算付けとなる事情も分からなくはないですが、それはあくまでも役所の論理。受検を控えた中3のいる中学校で2/1にスタートして、果たして中3の子たちは恩恵を受けられるでしょうか。
 何度かこのブログエントリで取り上げているK市の学校も、システム導入が完了してから約1ヶ月で公開授業です。この準備期間の短さは、現場の先生方や児童生徒に想像以上に多大な負担を強いています。
 プロジェクトが多くの方々、関係各所の協力で成り立っていることは百も承知ですが、現場に対する理解がもう少しあってもいいように思います。

 以上、簡単ではありますが私の感想です(第一弾?)。