教育用タブレットの本命? 新iPad発表

 巷間「iPad3」「iPad HD」と呼ばれていた「新しいiPad」が発表になりました。

 私はiPad(特に「新しいiPad」)が教育用タブレットの本命になると考えています。

【理由その1】
・ひとつのベンダーがコントロールする安定したプラットフォーム
 iPadはハード、ソフトともにAppleが管理しており、安定したプラットフォームです。また、Androidのように端末によって画面解像度が違う、スペックが違うといったこともありません。これは教育現場で大勢の生徒に扱わせる先生にとっても利点ですし、コンテンツ開発を行うベンダーにとってもメリットです。

【理由その2】
・高解像度「Retina Display」採用
 iPhone4/4Sをお使いの方はご存知のように「Retina Display(網膜ディスプレイ)」の解像度は高く、通常の利用ではドットを見分けることができません。これが文字・グラフィクスの見栄えを非常に美しくしています。「教科書」をうたう以上、これくらいの見栄えは必要だと思われます。

【理由その3】
・無料電子書籍オーサリングツール「iBooks Author」の提供
 アメリカの大学の教科書事情を考慮して「教科書の再発明」を宣言したアップルですが、その影響は日本にも及ぶでしょう。検定が必要な教科書はまだ先のことになるでしょうが、iBooks Authorを利用して児童生徒が利用する副教材がリリースされるのにそれほど時間を要しないでしょう。情熱のある先生方のワーキンググループから近々副教材が共有される可能性もあります。
 私自身、個人や中小ベンダーが電子書籍を作成し、流通させることのできるプラットフォームに非常に大きな可能性を感じています。

【理由その4】
・バッテリ、Wi-Fi、カメラの基本性能
 細かいスペックはAppleのサイトをご覧頂くことにしましょう。それでも10時間駆動するバッテリ、IEEE802.11.n対応の無線LAN、500万画素の外向きカメラは魅力的で子どもの学習のフィールドを広げる可能性を持っています。例えば野外学習にiPadを持ち出せばハイクオリティの写真、動画を撮影でき、iPadで編集できてしまいます。

 ひとつのデバイスだけで教育現場を大きく変えられるとは思いません。
 しかし、安定性に欠けフリーズする、コンテンツの選択肢が乏しい、といった端末を体験してきた私から見ると、iPadが魅力的なデバイスであることは間違いありません。