放課後、子どもの居場所

 今朝の朝日新聞オピニオン面。
 「下校チャイムが鳴った後」という見出しで、学童保育(放課後児童クラブ)に関する意見を3人の方がそれぞれの立場で述べていらっしゃいます。


(2012/4/12 朝日新聞紙面より)

 そのうちお一人は内閣府政策統括官の村木厚子さん。『後手に回って「小1の壁」』というキャプションで、保育所とシームレスに繋がっていない制度の不備を後手に回ったとしながらも、児童の放課後の受け皿整備が一歩前進した旨の発言をされています。
 共働きや片親の家庭が増加するという社会構造の変化の中で、保育所の整備は(保育所入所待機児童は依然として多いですが)進められてきましたが、小学校低学年児童の「学童保育」は後回しになったという現状があるようです。

 私も3年前、松山市の「放課後子どもの居場所づくりプロジェクト」開始に際し、ボランティアで参加する学生・一般の方対象に「聞くスキル」について講義をさせて頂いて以来、頭の片隅にあるテーマです。奇しくも本日、その時の関係者とお会いすることになっています。

 さて、私の関心事は「放課後の子ども居場所とICT」(笑)。

 例えば、子どもの居場所になる教室にデジタルドリルを自由に使える環境を用意することで学力向上に繋がった、などという事例を聞きますが、私は賛成ではありません。
 だって放課後ですよ?
 学校の宿題をやるならまだしも、そういう機器があって「勉強しなくちゃ」という空気になってしまうのはいかがなものか、と。場所は学校の教室を借りることがあるかも知れませんが、学校の延長にはしたくないですね。
 また、学科を教えられる教員がついて指導できるならまだしも、機器に子どものお守りをさせるようではという懸念もあります。現在の教材レベルは優れた教員の足下にもおよびませんから。

 ええと、子どもの居場所とICTの話でしたね(笑)。

 実はノーアイディアです(爆)。

 漠然とICT、コンピュータの力を活用できるのでは? と考えているだけです。
 昔の子どもがしていたような野外での遊びに代わることをコンピュータを利用してできないか? 例えば、プログラミングも遊びのひとつと捉えられないか。最近は以前も紹介したビスケット等のグラフィカルユーザインタフェースを用いたプログラミング環境が無償で提供され始めています。例を挙げます。下のケロケッツはゲーム作成に特化したWebサービスです。

・「ビジュアルプログラミング言語VISCUIT
・「KEROCKETS(ケロケッツ)

 指導者、機器管理、子どもの健康管理など問題はあるでしょうが、未来のクリエーターに繋がる可能性はあるのではないでしょうか。

 この「放課後の子どもの居場所」は、成功例もあるようですが様々な要因や思いが絡んでいて難しいのが現状のようです。
 教育評論家・元小学校教員の親野智可等さんによれば「日本が突き当たっている放課後の子どもの問題は、実は先進国に共通する悩みです。米英仏独や豪州、韓国でもよりよい過ごし方を模索しています。」だそうです。
 「世の中のお父さんたちは、子どもの頃、友だちといっぱい遊んで楽しい放課後を過ごした記憶があるはずです。今の子どもたちにも同じ思いをさせてあげませんか?」という親野さんで、このエントリを結びたいと思います。