さあ、ITのことも考えようか

 今まで学校現場のICT支援のことを中心に書きつづってきました。
 が、このブログでやりたいテーマがもう一つ。

 IT・ネットワーク系の学習記事。

 今の職場で学校ICTに関わる前は、NTTコミュニケーションズのインターネット検定「.com Master」の研修に長く携わってきたので、このカリキュラムについて、あるいはこのカリキュラムを分かりやすく伝えたい。そんな気持ちもあります。

 ただ、ブログ形式で学習記事を書くのも(Wikiなら別ですが)やりにくいのは分かっているので、そのためにWordPressの固定ページを活用しようと考えていました。

 学校ICTはあとひと月ほどで一旦けりがつくので、「.com Master」のことも、そろそろ考えていきます。

トップイメージ変更

 私のブログイメージにぴったりのデフォルト画像があったので、いままでそれを使っていました。

 が、昨日出張先でいい絵が撮れたので差し替えてみました。日陰から明るく日の当たる方へ歩く後ろ姿が気に入ってます。

 画像の差し替えもコードをいじることなく簡単にできてしまうなんて、WordPressユーザビリティ高過ぎ(笑)

 このテーマ、惜しむらくは右サイドにガジェットが2つしか貼り付けられないこと。

 これはさすがに自分でソースを書き換えないといけないんでしょうね。

 WordPress道は深い。

公開授業を終えて

 昨日報告したように公開授業を終えて一段落。

 備忘録を兼ねて、印象に残った点をメモしておきます。

 まず本校と分教室を結んだ遠隔授業。
 一般には他校と結んでお互いの地域を紹介しあう「交流授業」に取り組む学校もありますが、特別支援学校ではより切実。病院に設置された分教室と結んで一体感のある授業、わくわく、ドキドキ感のある授業を行うことは非常に意味があるようです。

 実際に昨日行われた理科と国語の遠隔授業では(私は他クラスのサポート、参観で実際には見ていませんが)、分教室の子どもは大喜び、それをご覧になっていた親御さんも喜ばれていたそうです。

 一般校の場合、少人数校が他校と結ぶことで活気ある授業になることが多いようですが、それを何十倍にもしたもの、と考えるとよいかもしれません。

 加えて、病院には持ち込みできる物が制限されているため、理科の「植物の呼吸」といった実験などを分教室で行う場合、例えばミカンは持ち込めるが、じゃがいも(土がついている)は持ち込めないといった制約があり、本校の実験器具をネットワーク経由で操作する、センサーを読み取ることで、今まではできなかった実験に参加できるようになる子もいます。

 公開授業後の全体会で、国立特別支援教育総合研究所の滝川先生は「教室に在籍してはいるが、長期入院をしている子どもたちをICTで救って欲しい。自宅療養になると教育が受けられなくなる。」といった趣旨の発言をされていました。また、「病気だからこそ、受けることができる授業がある」と熱弁されていたのが印象的でした。

 ICT教育はコンピュータを使うことで、個々の児童生徒の進度に合わせて未学習分野や苦手分野をサポートすることができます。
 フューチャースクールの取り組みが、このあたりのすそ野を広げる一石になればと願います。

公開授業、当日

 ついにこの日が来ました。

 あまりにも多くのことがあり、このエントリで書き尽くすことはできないので個々のエピソード等はまた日を改めて。
 得るものの大きい授業や講演がありました。まずは昨日の記事を読んで頂いて気になってらっしゃる方へ報告したいと思います。

 いきなりハプニングがありました。
 朝、顔を合わせたS先生、昨日あれからまた1人で操作確認をしたらしいのですが、そのとき「ピロピロがうまくいかなかった」と仰るのです。どうも表示されないファイルがある?らしい。 ※ピロピロとは「エアロフリップ」のこと。
 そこで教室の空き時間にパソコンを起動し直し、確認したところ問題なく動作して一安心。

 公開授業は5、6限で行われるので、午前中は机を移動したり、機器の動作チェックをしたりと準備に追われました。
 おもしろかったのは、リモートサイエンスラボの準備。分教室とネット回線で結んで実験をするのですが、今回用いるのは「二酸化炭素濃度測定器」。植物の呼吸を実験で確かめます。
 かなり高感度な製品のようで、ガスストーブを焚くと二酸化炭素濃度が上昇するのを検知してしまうとのこと。本日のK市は雪の舞う寒空でしたが、途中からストーブを消し窓を開けて換気しながらの作業となりましたよ。

 さて5時間目。S先生の授業がスタートしました。授業前の仕込みはバッチリ、あとはうまく操作して頂くだけです。
 全部で5枚の画像があるのですが、最初の2枚はO.K.
 画像切りかえの度に「ピロピロ」言うものですから、生徒もつい笑ってしまいます。
 3枚目になり、あれれ? 画面が代わりません(汗)。キー操作は覚えられたので間違うはずはないのですが、私が確認しても同様に「ピロピロ(フリップ)」しません。マーフィーの法則発動(苦笑)。
 仕方がないので、都度メニューバーから必要な画像を私が開き、残りの授業を進めて頂きました。

 授業後。
 私「おつかれさまでした。でも、ちょっと残念でしたね。」
 S先生「いやあ、授業ができたからよかったよ。全く画像が見られなかったら口で説明するのはしんどかったけど。」
 あまり意に介していない口調に安堵しました。

 ちなみにS先生は、授業巧者です。こなれたベテランの味はみごと。
 本日の単元は中2の歴史、それも日中戦争あたりの込み入ったところ。複雑な勢力を家族や友人関係に例えながら納得感のある授業をされていました。生徒を前に出させ、IWBに映し出した毛沢東と蒋介石の顔に落書きをさせた時にはぶっ飛びましたけど(笑)
 そこは、この学校ならではのICT利活用の意味があるのです(昨日のエントリ参照のこと)。

 S先生のような先生に、本気でICT活用に取り組んで頂けたら、と思わずにはいられません。
 手書きの自作プリントを大量に保有されており、今日はそのうち2枚がIWBで表示されました(もちろん、ワークシートとして生徒にもプリント配布してます)。
 手持ちのアナログデータもそれほど手間をかけずに再利用できるのがIWBの利点のひとつですね。

 最後に、エアロフリップがフリーズする症状は昨日も起こり、再現性があります。パソコンの再起動で直りますが、StarBoardと併用し続けると出るような感じがあります。
 まあ、エアロフリップと併用する先生もあまりいらっしゃらないのですが(笑)、今後注意していきたいと思います。

公開授業の前日

 いよいよ明日となった公開授業。
今日は最終調整に現地入りしました。そこで思わぬ気づきを得ることができました。

 今までのエントリをご覧頂いている方は、2/17という日付とK市という情報から、私が特別支援学校のフューチャースクールで支援企画員をしてるんだ、と推察されていることと思います。ご明察。
 そこで、明日に向けた準備について、午前中に支援員から報告を受けました。

 彼の話によると、明日サポートが必要になりそうな先生がいる。そのS先生はIWBを使って、用意した画像を提示、切りかえ、拡大して書き込む、というオーソドックスなスタイルで授業をされるとか。
 ところが画像切りかえは、Windows のビューワーでカーソルキーで移動するのではなく、画像ごとにビューワーを起動しておき、複数ウィンドウを [Windowsキー]+[Tab]のショートカットで・・・そう、エアロフリップで切りかえたいと希望されている。

 これがパソコンの得意な先生なら「どうぞ、どうぞ」となるんですが、サポートが必要なS先生。
 ICT活用で画像切りかえは頑張る所じゃないし、授業で無理に多くの機能を使う必要はなく、むしろ公開授業なんだから失敗するリスクを減らした方がいいんじゃないか、と支援員にはアドバイスしました。

 さて、お昼休みを挟んでコラボノートを使うという別のクラスの操作確認に立ち会いました。
 コラボノートの画面をIWBに映して「これでは字が小さくて読めないね」とおっしゃるM先生。
 「各生徒のタブレットパソコンには同じ画面が表示されていますから、IWBで読む必要はないんじゃないでしょうか」と私。
 「う〜ん、分教室でIWBの大きい画面を見て、子どもが喜んでくれれば、と思ってね」
 私の心の中で、形にはならない、小さな光が弾けました。

 さて放課後。S先生が支援員を呼びに来ました。なんでも、明日使用するファイルが消えてしまったとか。
 私も支援員に同行して教室におじゃましました。
 これが後から考えると偶然とは思えないトラブルでした。

 支援員さんが、ファイルをバックアップから復元し、5枚の絵をそれぞれビューワーで起動して、さあエアロ! ・・・なぜか不調でパソコンを再起動(笑)
 気を取り直し、再起動後にエアロ!

 今度は成功です。S先生は嬉しそうに画像が整列し、ダンスする様をながめて「これだよ、これ! ピロピロピロ・・・」

 その模様を眺めて昼間の出来事がフラッシュバックし、S先生がエアロにこだわった理由がようやく閃きました。

 特別支援学校、特に分教室(=病院内)には病気で長期入院している子どもがいます。
 中には重篤な病状の子もいて、つらい治療や孤独に耐えている。
 子どもたちの目が輝くといいね。笑顔が見られるといいね。
 そんな言葉を以前他の先生から聞いたことを思いだしました。

 いわゆる一般校のみを見てきた私にとって、ICT機器は一般の教具であり、特別扱いはせず、収まるべきところに収まってその役目を果たせばいいし、まずはそこを先生方にご理解いただきたいという気持ちが強かったのでした。

 しかし、授業を受ける子どものタイプは様々です。今回のように、ちょっとした提示の仕方で小粋なサプライズを演出し、それが一瞬でも子どもたちの目の輝き、笑顔に繋がるなら、悪いはずがありません。授業が滞ってしまったら・・・その時はその時です(笑)

 まだまだ修業が足りませんね、ああ、恥ずかしい。
 でも、今気づいてよかった。今日はすばらしい日となりました。ありがとうございます!

 明日は全力でサポートいたします。

電子黒板、NHKの報道

 今朝、6:00台のNHKニュースで電子黒板(IWB)を取り上げていましたね。

 概ね客観的な報道で、先生の「子どもたちの顔が自然と上がる」といったIWB利活用において見過ごされがちなポイントも拾っていたのはお手柄。またIWBを使った子どもたちの発表場面や、現場の先生の対照的な意見も上手に拾っていました。

 一方でいくつか課題も感じました。

 まずIWBの機能とデジタルコンテンツ/機器の機能が区別されていないこと。
 例えば国語のデジタル教科書を取り上げていましたが、「筆順のアニメーション」「本文の読み上げ機能」はデジタル教科書のもの。そして、どちらかといえばこれらの機能は一斉学習というよりは、フューチャースクールのように各児童に端末を配布し、そこで個人の習得度に応じて活用したい機能。筆順の分からない漢字って児童ごとに違いますし、一斉指導なら先生が行えばいいわけです。
 なお、ICT機器の誘因力というか、子どもたちの視線を集める力に言及する方もいますが、ICT機器を日常的に使い続けていく中で魔法は弱まっていきます。逆に、いつまでもそこに頼らなければならないなら先生の力量を問われても仕方ないでしょう。

 次にIWBのみを「黒板」として取り上げたこと。
 現場を見ないとなかなか伝わらないのですが、IWBは黒板の板書機能を補完するもので黒板に代わるものではありません。現状では、IWBで動画やコンテンツによる説明・デジタル教科書の投影を行い、ノートに残す内容はきっちり板書する、という「両面使い」が一般的であるように見受けられます。
 ここをスキップして「デジタルコンテンツを使うことで効率的に授業を進めることができます」なんて言うから、デジタルアレルギーを持つ方々の不要の批判を買うことになるわけです。

 とはいえ、一般の方の視線はこうなんだろうなと再確認するよい機会になりました。

どうした、jetpack

以前のエントリで書いたように、機能的にはjetpack liteで足りていましたが、iPhoneのWordpressアプリでアクセス数が表示されないため本家jetpackに入れ替えました。

が、結果は変わりません(涙)

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以前と全く変わりません。

何がいけないのでしょう?
う~む、まだまだ修行が足りないな。

StarBoardの電子ペン

 今日はY市の中学校へ、ICT支援員研修の視察に伺いました。
 いつもなら、研修を行う立場ですが今回はいろいろありまして、オブザーバー参加。お手並み拝見といったところです。

 支援員さんは3名、本日のメニューはIWB(日立 StarBoard)と実物投影機(書画カメラ)です。

 StarBoardはよくあるプラズマディスプレイタイプではなく、単焦点プロジェクタ型です。
 大きいし、書きやすく、まぶしくない(輝度が低い)ので私は気に入っていますが、唯一の弱点は明るい室内では昼あんどん状態になること。まあ、これはプロジェクタタイプなので致し方ありません。

↓写真では欠けてますが、上部にプロジェクタ本体がついています↓

 StarBoardを使う上で、いくつか注意があるんですが、インストラクターの方が触れなかったので、つい口を出してしまいました。曰く、
「電子ペンのフタが壊れやすいので注意して下さいね!」

 余計なことしちゃいましたかね〜、最後の方でちょこっと「授業の構成」について説明したんですが、その時電子ペンを落としてしまいまして・・・みごとフタは真っ二つに! 実践してしまいました。ああ、ゴメンナサイ!

 研修の方は、支援員のみなさんも熱心にIWB、実物投影機について質問をし、白熱したやりとりで予定時間を1時間ほどオーバーして終了。
 実りもあったのですが、課題も見えた研修でした。
 さてさてどうしましょう? というのが現在の心境です。

2/10セミナーのトピックス

 2/10に行われたセミナーで個人的に気になったトピックスをピックアップします。

【パネルディスカッションより】
[中川一史先生]
・デジタルコンテンツの活用で、先生方の授業準備(ワークシート)作成の効率化が図られているケースも

→私としてはノーチェックだった分野。過去の塾講師経験から自分の担任の生徒向けに(そのまま)使えるような教材はなかった印象が強い。例えば、バーコードシステムでドリルアップ・ドリルダウンを自動化していたのがウリの某システムも(現在のコンテンツがどう進化しているかは知りませんが)、当時は「使えないシステム」という判断で採用を見送った経緯もあります。
 要は共通テンプレートがあって、標準化されているものはそれなりに評価もされているのでしょうけど、個々の先生の教え方・指導法と会わない部分が必ずあり、そのすり合わせをどうするのか、という問題。
 だからワークシートについても、教科書に付属してくるものを先生方が自分のクラス向けにアレンジするという認識でいたので、上記の中川先生の発言には「へえー」という感じ。ただ、中川先生は既存のデジタルコンテンツを「そのまま使う」とは仰っていない部分がミソで、「作成の効率化」と仰った。
 このあたり、今後意識して取材します。

[石狩市紅南小学校M先生]
・(フューチャースクールのシステムを)2年間使って感じたことは、「無理をしない!」こと。すべてをICTに置き換えるのではなく、一部をICTに置き換える→「便利」「わかりやすい」「効率的」「感動的」

 M先生の授業には何度もおじゃましており、非常にうまくICTを使いこなしておられる印象。発表を聞いていても「わが意を得たり」と再確認することが多かったです。ただ、「感動的」という言葉は新鮮。
 毎回、子どもたちを感動させるような準備は持続不可能だとしても、要所要所で使うことで従来の授業スタイルにはない感動を映像・双方向性・協働学習を通じて行うことは大切だと再認識。
 長く使って慣れてしまうことで、真っ先に失われてしまうものが「感動」だから。
 逆に、ICT利活用の入り口が「感動」であるのは普通で、それだから「感動」によりかかったままの授業設計はよろしくないと思うわけです。

[宮古島市下地中学校M校長]
※この2/1から取り組みを始められたばかりということで、ここに至る背景等を発表されました。
・(これまでの課題として)年度途中の採択で今年度の年間指導計画及び行事計画に変更が多くなっている

 上記のような苦言を呈されていましたが、私もまったく同感です。
 年度が変わってからの採択、予算付けとなる事情も分からなくはないですが、それはあくまでも役所の論理。受検を控えた中3のいる中学校で2/1にスタートして、果たして中3の子たちは恩恵を受けられるでしょうか。
 何度かこのブログエントリで取り上げているK市の学校も、システム導入が完了してから約1ヶ月で公開授業です。この準備期間の短さは、現場の先生方や児童生徒に想像以上に多大な負担を強いています。
 プロジェクトが多くの方々、関係各所の協力で成り立っていることは百も承知ですが、現場に対する理解がもう少しあってもいいように思います。

 以上、簡単ではありますが私の感想です(第一弾?)。

本日は学校ICTのセミナー

先日の学校訪問で風邪をもらったらしく、2日間休みをいただきました。ええ、インフルではありません。

さて今日は、情報教育対応教員研修全国セミナーという催しに、サテライトから参加します。

平成23年度 情報教育対応教員研修全国セミナー

トピックス等は後ほどアップしますね。